ロボット草刈機の主なデメリットは、「初期費用と設置の手間がかかる」「伸びすぎた草や急な斜面は苦手」「キワや障害物の多い場所は刈り残しが出る」の3つです。 一方で、果樹園の下草や家・作業場のまわりなど、平らで毎年同じ場所を刈り続ける土地には、とても向いています。 この記事は、農業や家庭でロボット草刈機の導入を考えていて、「本当にうちの土地で使えるのか」を知りたい方に向けて書いています。

ここでは、フジテック岩手が正規取扱店として扱っているワイヤー不要のロボット草刈機「SUNSEEKER(サンシーカー)」を例に、デメリットとその対策、一関・岩手県南の果樹園で使うときのポイントを解説します。 機種の仕様は、メーカー公式サイトの情報をもとにしています。

ロボット草刈機とは:考え方が従来の草刈機と違う

刈払機やハンマーナイフモアは、伸びた草を人が操作して刈る機械です。 これに対してロボット草刈機は、設定したエリアを自動で何度も走り、草が伸びる前に少しずつ刈って、短い状態を保つための機械です。

SUNSEEKERのXシリーズは、衛星測位(RTK-GNSS)とカメラを組み合わせて位置を把握するので、従来のロボット芝刈り機のように地面に境界ワイヤーを埋める必要がありません。 刈るエリアや入ってほしくない場所は、スマートフォンのアプリで設定します。 バッテリーが少なくなると自分で充電ステーションに戻り、雨を感知すると作業を中断して戻る機能もあります。

ロボット草刈機の7つのデメリットと対策

デメリット 対策・考え方
1. 初期費用が高い 年間の草刈りにかかる時間・人手・外注費と比べて考える。条件を満たせば一関市の草刈機補助金の対象になった事例もある
2. 設置に条件がある 屋外の電源、2.4GHz帯のWi-Fi、基地局と充電ステーションの設置場所が必要。導入前に現地で確認する
3. 伸びすぎた草・藪は刈れない 最初にハンマーナイフモアや刈払機で刈り込んでから、ロボットで短い状態を保つ
4. 急な斜面は走れない 対応する傾斜はX5が最大約30度、X7 PLUSが最大約35度。それ以上の法面はラジコン草刈機やスパイダーモアを使う
5. キワや細かい場所は刈り残しが出る 木の根元やフェンス際は、刈払機で仕上げる
6. 障害物や落ちている物に注意が必要 カメラとAIで障害物をよけるが、すべてを必ずよけられるわけではない。剪定枝や道具、ホースなどは片付けておく
7. 衛星の電波が届きにくい場所がある 木の枝が上を覆う場所や建物のキワでは、オプションの4G通信モジュールが必要になる場合がある(X7 PLUSは標準装備)

デメリット1:初期費用が高い

ロボット草刈機は、刈払機などに比べると本体価格が高くなります。 ただし、比べたいのは本体価格だけではなく、今の草刈りに1年でどれだけの時間と費用をかけているかです。

たとえば、家族2人で1回3時間の草刈りを年に8回していれば、年間で48時間を草刈りに使っていることになります。 燃料代や刃などの消耗品、業者に頼んでいる場合はその費用も加えて考えてみてください。 一関市内の農家の方は、条件を満たせば一関市の農業用草刈機導入補助金の対象になる場合もあります。

デメリット2:設置に条件がある

SUNSEEKERは、基地局と充電ステーションを設置して使う機械です。 メーカーの案内では、屋外用の電源コンセントと、2.4GHz帯のWi-Fiが必要とされています。 農地や果樹園で使う場合は、電源をどこからとるか、Wi-Fiが届くかを事前に確認する必要があります。 【要確認:Wi-Fiが届かない農地での運用方法(4G通信モジュールで代替できるか等)】

デメリット3:伸びすぎた草や藪は刈れない

ロボット草刈機は、短い草を保つための機械です。 何年も放置して背丈ほどに伸びた草や、ススキ・笹藪のような場所は刈れません。 耕作放棄地などは、まずハンマーナイフモアや刈払機で刈り込み、そのあとをロボットに任せるのが現実的です。

デメリット4:急な斜面は走れない

メーカー公式サイトによると、対応する最大傾斜はSUNSEEKER X5が60%(約30度)、X7 PLUSが70%(約35度)です。 一関・平泉・奥州や宮城県北の中山間地には、これより急な法面や土手も多くあります。 そうした場所は、離れた場所から操作できるラジコン草刈機や、斜面用のスパイダーモアの出番です。

デメリット5:キワや細かい場所は刈り残しが出る

木の根元、フェンスや建物のキワ、細い通路などは、ロボットだけではきれいに刈りきれないことがあります。 ロボットに広い面を任せて、人は刈払機でキワだけを仕上げる、という分担が向いています。

デメリット6:障害物や落ちている物に注意が必要

SUNSEEKERは、カメラとAIで障害物を見分けてよけながら走ります。 ただし、すべての障害物を必ずよけられるわけではありません。 剪定した枝、道具、ホース、小さな子どもやペットがいる場所などは、作業エリアから外したり、作業の時間帯を分けたりする工夫が必要です。 果樹園では、落ちた果実がある時期の扱いも確認しておきましょう。【要確認:りんごの落果がある時期の運用(落果の上を走行できるか、刃への影響)】

デメリット7:衛星の電波が届きにくい場所がある

衛星測位を使うため、木の枝が上を広く覆っている場所や、厚いコンクリートのキワなどでは、電波を受けにくいことがあります。 そうした場所では、オプションの4G通信モジュールが必要になる場合があります(X7 PLUSは標準装備)。 導入前に、敷地の状況を見てご相談ください。

雪国・岩手で使うときに知っておきたいこと

岩手県南や宮城県北では、冬は雪が積もるため、ロボット草刈機を動かすのは草が伸びる春から秋が中心になります。 冬のあいだは本体を屋内にしまい、春に点検してから使い始めるのが基本です。 【要確認:SUNSEEKERの冬季保管でメーカーが推奨する方法(本体・バッテリー・充電ステーション・基地局の扱い)】

また、屋外に置いておく機械なので盗難も気になるところです。 メーカーの案内では、SUNSEEKERには4G通信モジュールと組み合わせた盗難防止機能があります。 防水性能はIPX5で、雨を感知すると作業を中断して戻ります。

向いている土地・向いていない土地

ロボット草刈機が向いている土地

ほかの草刈機のほうが向いている土地

果樹園でSUNSEEKERを使うには

一関市周辺には、りんごをはじめとする果樹園が多くあります。 果樹園の草刈りは、ちょうど果樹の作業が忙しい夏に重なるため、どうしても後回しになりがちです。

トップページでご紹介している一関市のりんご農家様は、SUNSEEKER X5を導入されました。 「夏場はりんごの世話で忙しく、草刈は後回しになってしまいがち。ワイヤー設置がいらないSUNSEEKERは簡単に導入出来て、障害物をセンサーで器用に避けて、ずっと働き続けてくれています。」という声をいただいています。

果樹園で使うときは、次の点を確認しておくとスムーズです。

  1. 面積に合う機種を選ぶ(X3は最大800㎡、X5は最大2,000㎡、X7 PLUSは最大6,000㎡)
  2. 木の枝が上を覆っていて、衛星の電波が届きにくい場所がないか
  3. 低い枝や支柱、かん水ホースなど、ぶつかりそうな物がないか
  4. 農薬散布や収穫などの作業と、ロボットを動かす時間帯をどう分けるか
  5. 伸びすぎた場所は、最初にハンマーナイフモアや刈払機で刈り込んでおく

園地の形によっては、機種の選び方やエリアの分け方が変わります。 実際の圃場を見ながらご提案しますので、お気軽にご相談ください。

家庭用と農業用、どれを選ぶ?

機種 最大作業面積 最大傾斜 刈幅 向いている使い方
SUNSEEKER X3 800㎡ 【要確認】 20cm 一般家庭の庭、別荘地の芝
SUNSEEKER X5 2,000㎡ 約30度(60%) 22cm 広い庭、中規模の果樹園、休耕田まわり
SUNSEEKER X7 PLUS 6,000㎡ 約35度(70%) 35cm 大きな果樹園、工場敷地、太陽光発電施設

仕様はメーカー公式サイト(sunseeker.jp)の情報です。 機種ごとの詳しい違いは、SUNSEEKER X3・X5・X7 PLUSの違いと選び方で解説しています。 ほかの草刈機も含めたラインナップは商品ラインナップをご覧ください。

まとめ:ロボットに任せる場所と、人が刈る場所を分ける

ロボット草刈機には、初期費用や設置の条件、伸びた草や急斜面が苦手といったデメリットがあります。 それでも、平らで毎年同じ場所を刈る土地では、草刈りにかかる時間を大きく減らせる可能性があります。

大切なのは、すべてをロボットに置き換えようとしないことです。 平らな場所はロボット、急な法面はラジコン草刈機、荒れた場所はハンマーナイフモア、キワは刈払機。 土地に合わせて使い分けることで、草刈り全体の負担を減らせます。